Live Comfortably

VOL. 4飯島望未

「慣れる環境を自分で作らないこと。
いつだって一生懸命に」

今をステキに生きる女性とSNIDEL HOMEがセッション。
今回のゲストは、バレエダンサーの飯島望未さん。
引き締まった体と、そのしなやかな佇まいに一同うっとり……。
飾らない笑顔で語ってくれたインタビューも必読です。

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Q1朝起きたら、まず何をする?

「お水とオレンジジュースを飲みます」

気づけばもう何年も行なっている朝のルーティン。オレンジのクエン酸が筋肉の回復にいいんですよね。オレンジジュースはもちろん100%のもので、レッスン中もよく飲みます。朝は、支度をしたらすぐにレッスンへ。ギリギリまで寝ているし、いつも結構バタバタですが、それが私には向いている気がしています。たまに早く目が覚めてソファでゆっくりすると、ヤル気が失せて行きたくなくなっちゃうので(笑)。朝は勢いで動くタイプです。

Q2世界を股にかける飯島さん。
必ず持っていくものは?

「スティッチのぬいぐるみ(笑)」

11歳の頃、コンクールの結果がよくて母親に買ってもらったものなのですが、どこにでも連れていくし、いつも一緒に寝ています。色は褪せているし、生地もかなり薄れて首からワタが飛び出しているような状態なのですが、愛着があって。でも、きっと思っている以上にボロボロだと思いますよ?(笑) 今もベッドの上でくたーっと私を待っています(笑)。

Q3多忙な毎日のリフレッシュ方法は?

「オフの時はバレエのことを一切考えない」

家にいる時や休日は完全にオフ。映画を観たり、本を読んだり、好きなことしかしないですね。トゥシューズの修理や振り付けを覚えるのも、すべてスタジオで。自分の性格上、ずっとバレエのことを考えているとイヤになっちゃいそうで……(笑)。バレエが大好きだし、ずっと踊り続けたいから、そうしているんだと思います。休日に会うのもバレエがらみじゃない友人たち。一旦バレエという箱の中から出て、違う考え方やインスピレーションをもらうことがエネルギーになる。バレエ以外のことが、結局バレエにつながっている感じです。

Q4今だからこそ、心がけていることは?

「人に優しく!」

コロナ禍の今って、人の悪いところにばかり目が行きがちだなあと感じていて。感染の原因を人のせいにしたり、犯人探しにやっきになったり。コロナ当初、私はアメリカに住んでいましたが、アジアンヘイトや人種差別の問題も絡み合って、街全体がダークな感じだったんです。それが悲しかった。こんなご時世だからこそ、お互いが思いやりを持って人に接したり、“優しい世の中にしていく努力”が必要だと思います。まずは、身近な人を大切に。そこから優しい気持ちが伝染して広がっていけばいいなって。

Q5バレエダンサーの日常生活を教えてください。

「いわゆるお仕事タイムにバレエを」

バレエのリハーサルは平日の10:00〜17:00くらいまで。いわゆるサラリーマンさんと同様のタイムスケジュールです。これはヒューストンにいた時も同じでしたが、決まったランチタイムがないのが日本の特徴(笑)。「各自、時間がある時に」がルール。国民性の違いだなあ、日本人よく働くなあって思っています(笑)。お休みの日はメンテナンスもしますよ。鍼、マッサージ、ピラティスなど、状態に合わせて。

Q6オリジナルの美容法は?

「半身浴しながら化粧水。オイルはナシ」

まずは、湯船に浸かりながら体だけ半分出してオイルクレンジング。そのまま体を温めながら、化粧水を浸透させるように半身浴。お風呂から出たら、もう一度、化粧水と美容液とクリームをたっぷりと。毎晩てかてかの肌で眠っています。普段運動しているせいか、オイルは自分から自然に出るもので十分。塗る必要ないなという結論に至りました。お風呂には入浴剤としてマグネシウムフレークを。よく眠れるような気がしています。

Q7家では何を着ていますか?

「気分が上がる可愛い部屋着」

私は部屋着推奨派です。可愛くて着心地のいい部屋着を着ると気持ちがリセットされるし、疲れも癒されます。基本、部屋着とパジャマは一緒ですが、突然違うパジャマに着替えたりも。私ってば、本当に気分で動くタイプなので……(笑)。でも、バレエに関しては「本番前にパスタを食べる」「星のグッズを並べる」のようなゲン担ぎが結構あるんですよね。私生活にまったく決まりがないのは、その反動?(笑)

Q8いわゆる趣味はありますか?

「絵を描くのは好きです」

独学だし、絵というよりはイラスト? 以前、チャコットさんからコラボアイテムを発売した時は、私のイラストを使っていただきました。絵を描くことはメディテーションの一種で、描いている時は何も考えていないんです。「無」の状態。なので、イヤなことがあったり、気持ちがもやもやした時などに絵を描きますね。少し気味が悪い感じの絵も描くし、ただひたすら線だけを描いている、なんてことも。

Q9好きな作家さんやアーティストは?

「川端康成とウェス・アンダーソン」

川端康成さんを読み始めたきっかけは、彼がバレエが大好きだったと聞いて、勝手に親近感を覚えてしまったから(笑)。オススメは『眠れる美女』。言葉や文章が本当に美しくて、そのエロティシズムにゾクゾクします。ウェス・アンダーソン監督もめっちゃ好き! 世界観、衣装、音楽の使い方も、すべてを愛しています。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』と『ムーンライズ・キングダム』はもう何回観たかわかりません。

Q10座右の銘や、好きな言葉はありますか?

「ベタですが、“一生懸命”!」

26歳でスイスに行く前の私は、少しネガティブな部分があったんです。人の評価も気になるし、好きじゃない役に対してはテンションが上がらなかったり。そんな中、スイスで役が全然もらえない&監督ともソリが合わないという“プチ挫折”を味わいました。で、やっともらえたのが産休の方の代役。その時に思ったんですよね。「与えられた役に一生懸命になれないのは恥ずかしいな」って。自分ができることを一生懸命に頑張れば必ず結果はついてくるし、それは純粋に楽しいことだと気づけました。楽観的になれた、というか。奢りや慣れって一番怖いなって思うんです。だって、進化がないから。がむしゃらまでいかないレベルで(笑)、いつまでも何事に対しても“一生懸命”に生きていきたいなって思っています。

Profile

NOZOMI IIJIMA

1991年大阪府生まれ。6歳からバレエを始める。2007年15歳で単身渡米し、ヒューストン・バレエ団に参加、翌年には史上最年少で米プロ契約。2019年3月に、同バレエ団の最高位であるプリンシパルに昇格。2021年3月に退団し、拠点を日本に移した。SNSで魅せるスタイリッシュな着こなしや、自由で率直な言動も注目を集め、2019年よりCHANELのビューティアンバサダーに就任。バレエの枠を超えて、ファッションやビューティの世界でもひときわ強い光を放つ。

  • Photo : Takeshi Takagi (SIGNO)
  • Hair & Make-up : RYUJI (Donna)
  • Compotision : Urara Takahashi
  • Design : Yui Takuma
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NOZOMI’s Coordinate